うつ病は年々患者数が増えており他人事ではありません。性別や年齢にかかわらず、いつ、誰がかかっても不思議ではないのです。うつ病の原因は一つではありません。主な原因としてあげられるのは環境要因、つまりストレスです。20代から30代の働き盛りはもちろんストレスを抱えている人が多くいます。会社勤めに限らず、産後うつや高齢者のうつも非常に増えています。どのようなライフスタイルであってもストレスがあるのなら、うつ病は予防する手立てはないのかと考えられがちですが、実は自身でも簡単に出来る予防方法があります。それがバタフライハグです。やり方は非常に簡単です。両腕を胸の前でクロスさせて両手を自分の肩に置きます。そのまま片手ずつ交互に肩を軽く叩きます。これを2分間続けます。腕をクロスさせた様子が蝶に似ている事からバタフライハグと呼ばれるようになりました。効果は脳科学に基づいて証明されています。人は心理的ストレスが及んだ時、ネガティブな感情が先行する右脳が暴走してしまいます。暴走を止めるためにはポジティブな感情が先行する左脳の働きを促進させる必要があるのです。そのための行為がバタフライハグという訳です。失恋した時、仕事で失敗してしまった時、受験に落ちた時など突発的に大きなストレスがかかった時に特に有効とされるうつの予防法です。
バタフライハグは精神科領域で有効である事が実証されている心理療法です。しかも、病院でなくとも自宅でいつでも簡単に出来る方法なので知っておくだけでも有益です。昨今注目されている精神疾患はうつ病だけではなくなりました。タレントが病気を公表して活動を休止するなどが続き注目されるようになったパニック障害も精神疾患の一つです。パニック障害は経験者から聞くと命の危険を感じる程の体調変化が起きるようです。症状は一時的で必ず落ち着きますし、実際に命に関わる事は決してありません。しかし、一度でもそのような発作を経験してしまうと、その発作時と同じような環境下におかれた時にまた発作が起きたらという恐怖心が芽生えてしまいます。予期不安と言います。慣れてくると発作が起こりそうな前兆に勘づけるようになったり、体調不良になりそうな予感に気付けるようになってきます。そのような時にもバタフライハグは有効です。2分間、クロスさせた腕で両肩を交互に叩くだけ。興奮した交感神経を安定させる効果があります。これは過去にメキシコで起きた大地震の被災地でも、自分で出来るメンタルケア方法として取り入れられ実際に効果が得られたエビデンスがあります。お母さんが小さい子供を寝かし付ける際に行う肩トントンに似たものがあるのでしょうか。